用語集
Google スプレッドシートとGASの主要用語を一覧で定義。本文中の用語リンクの参照先。
本サイトの各章で登場する主要用語を分野別にまとめた用語集です。本文中で Term としてリンクされた語は、このページの該当アンカーへ飛びます。各定義は確実に検証できる範囲で簡潔に記しています。より詳しい解説は、各用語からリンクした章を参照してください。
基礎
セル(cell)
行と列が交わる、データを入力する最小単位のマス目です。A1 のように列名(アルファベット)と行番号(数字)の組み合わせで位置を表します。1つのセルには原則として1つの値(数値・文字列・日付・数式など)を入れます。
範囲(range)
連続または複数のセルのまとまりです。A1:C10 のように左上と右下のセルをコロンで結んで表します。関数の引数として「どのセル群を対象にするか」を指定するときに使います。詳しくは /chapters/04-formula-basics を参照してください。
シート(sheet)
1枚の表(タブ)を指します。1つのスプレッドシート(ブック)の中に複数のシートを持てます。シート名は '売上データ'!A1 のように、シート名+感嘆符+セル参照の形で他シートから参照できます。
ブック/スプレッドシート(spreadsheet)
複数のシートをまとめた1つのファイル全体を指します。Google スプレッドシートでは Google ドライブ上に保存され、固有の URL(ファイル ID)を持ちます。GAS では SpreadsheetApp 経由でこの単位を操作します。
A1記法(a1-notation)
セルや範囲を「列のアルファベット+行番号」で表す記法です。例:B3、A1:D20。これに対し、行と列をどちらも数字で表す R1C1 記法もあります。Google スプレッドシートの数式では通常 A1 記法を使います。
相対参照(relative-ref)
数式をコピーすると参照先が相対的にずれる参照方式です。例えば =A1 を1つ下のセルにコピーすると =A2 になります。通常の A1 のような記述は相対参照です。詳しくは /chapters/04-formula-basics を参照してください。
絶対参照(absolute-ref)
数式をコピーしても参照先が固定される参照方式です。$ を付けて $A$1 のように書きます。$A1 は列だけ固定、A$1 は行だけ固定する複合参照です。固定したい基準セルや見出し行を参照するときに使います。
名前付き範囲(named-range)
セル範囲に任意の名前を付け、その名前で参照できるようにする機能です。例えば A2:A100 に 税率表 と名付けると、数式中で 税率表 と書けます。可読性が上がり、範囲の意味が明確になります。
表示形式(number-format)
セルに入っている値を、見た目としてどう表示するかの設定です。通貨・パーセント・日付・小数桁数などを指定します。表示形式はあくまで見た目を変えるだけで、セルが持つ実際の値そのものは変わりません。
シリアル値(serial-value)
日付や時刻を内部的に表す数値です。Google スプレッドシートでは 1899年12月30日を 0 とし、1日を 1 として日付を整数で、時刻を小数で表します。日付計算(差分や加算)が数値演算としてできるのはこの仕組みのためです。
ロケール(locale)
地域と言語の設定で、日付の書式・数値の区切り・関数の引数区切り文字などに影響します。スプレッドシートの設定で変更でき、ロケールが異なると日付の解釈や数式の区切り記号(カンマかセミコロンか)が変わることがあります。
データ設計
タイディデータ/縦持ち(tidy-data)
「1行=1レコード(1件)、1列=1項目」という形で整理されたデータ構造です。日本語では「縦持ち」とも呼ばれます。集計・並べ替え・抽出・ピボットがしやすく、関数が前提とする形でもあります。詳しくは /chapters/03-design を参照してください。
1セル1値(one-cell-one-value)
1つのセルには1つの値だけを入れるという設計原則です。氏名と部署、数量と単位などを同じセルに詰め込まないことで、並べ替え・抽出・集計が正しくできるようになります。詳しくは /chapters/03-design を参照してください。
データ入力規則(data-validation)
セルに入力できる値を制限する機能です。プルダウン(リストからの選択)、数値の範囲、日付、チェックボックスなどを設定でき、表記ゆれや誤入力を防ぎます。Google スプレッドシートの「データ」メニューから設定します。
保護範囲(protected-range)
特定のセル範囲やシートを編集できないように保護する機能です。編集できるユーザーを限定したり、編集時に警告を出したりできます。共有時に重要な数式や原本データを誤って書き換えられるのを防ぎます。
名寄せ(name-matching)
表記の異なる同一の対象を、同じものとして突き合わせ・統一する作業です。例えば「株式会社A」「A社」「(株)A」を1つの企業として扱えるよう整える処理を指します。集計の正確さを保つための前処理です。
表記ゆれ(notation-variance)
同じ意味なのに書き方が異なる状態です。全角と半角、スペースの有無、「東京都」と「東京」など。表記ゆれがあると集計や照合で別物として数えられてしまうため、入力規則や正規化で揃えます。詳しくは /chapters/03-design を参照してください。
関数・配列
関数(function)
あらかじめ定義された計算や処理を行う命令です。=SUM(A1:A10) のように、関数名と丸括弧内の引数で記述します。合計・検索・条件分岐・文字列処理など多数の関数があります。詳しくは /chapters/05-function-catalog を参照してください。
引数(argument)
関数に渡す入力値です。SUM(A1:A10) の A1:A10 のように、丸括弧の中にカンマ区切りで指定します。引数には範囲・数値・文字列・他の関数などを入れられます。引数の順序や個数は関数ごとに決まっています。
スピル(spill)
1つの数式の結果が複数のセルにあふれて自動的に展開される挙動です。配列を返す関数(FILTER、SORT など)では、結果がセル範囲全体に広がります。展開先のセルに値が入っていると展開できずエラーになります。
配列数式(array-formula)
範囲全体に対してまとめて計算を行い、複数の結果を一度に返す数式です。Google スプレッドシートでは ARRAYFORMULA で明示するか、配列を返す関数を使って実現します。詳しくは /chapters/06-array-functions を参照してください。
ARRAYFORMULA(arrayformula)
ARRAYFORMULA(数式) の形で、本来1セル分の数式を範囲全体に一括適用する関数です。例えば =ARRAYFORMULA(A2:A10*B2:B10) で各行の積を一度に求められます。各行に同じ数式をコピーする手間を省けます。詳しくは /chapters/06-array-functions を参照してください。
QUERY(query)
QUERY(データ, クエリ文) の形で、SQL に似た問い合わせ言語(Google Visualization API のクエリ言語)でデータを抽出・集計・並べ替えできる関数です。select、where、group by などの句を使います。複雑な集計を1つの数式で表現できます。
FILTER(filter)
FILTER(範囲, 条件) の形で、条件を満たす行(または列)だけを抽出して返す関数です。結果は配列として複数セルにスピルします。元データを変えずに動的な抽出ができます。詳しくは /chapters/06-array-functions を参照してください。
VLOOKUP(vlookup)
VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, 検索方法) の形で、範囲の左端列を縦方向に検索し、同じ行の指定列の値を返す関数です。検索方法に FALSE を指定すると完全一致で検索します。検索列は範囲の左端である必要があります。
XLOOKUP(xlookup)
XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 結果範囲, ...) の形で、検索範囲と結果範囲を別々に指定して検索する関数です。VLOOKUP と異なり左右どちらの列も参照でき、見つからない場合の値も指定できます。
INDEX/MATCH(index-match)
INDEX(位置から値を取り出す)と MATCH(値の位置を探す)を組み合わせた検索手法です。INDEX(結果範囲, MATCH(検索値, 検索範囲, 0)) の形で、左右の制約なく柔軟に検索できます。VLOOKUP の代替として古くから使われています。
IFERROR(iferror)
IFERROR(値, エラー時の値) の形で、数式がエラーになった場合に指定した代替値を返す関数です。#N/A や #DIV/0! などのエラー表示を任意の値(空文字や 0 など)に置き換えるのに使います。あらゆるエラーを握りつぶす点に注意。
IFNA(ifna)
IFNA(値, NAのときの値) は、#N/A(見つからない)だけ を代替値に置き換え、#REF! や #DIV/0! などの設計ミス由来のエラーは隠さずそのまま表示する関数です。VLOOKUP/XLOOKUP の「見つからない」処理に向き、IFERROR より安全に使えます。
正規表現/REGEX(regex)
文字列のパターンを表現するための記法です。Google スプレッドシートでは REGEXMATCH、REGEXEXTRACT、REGEXREPLACE の各関数で利用でき、内部的に RE2 構文を使います。複雑な文字列の抽出・置換・判定ができます。
IMPORTRANGE(importrange)
IMPORTRANGE(スプレッドシートのURL, 範囲文字列) の形で、別のスプレッドシートのデータを読み込む関数です。初回は参照先へのアクセス許可が必要です。複数ファイルにまたがるデータを1か所に集約できます。
ピボットテーブル(pivot-table)
大量のデータを、行・列・値の軸で集約して集計表を作る機能です。合計・平均・件数などを軸ごとに自動集計でき、ドラッグ操作で集計の切り口を変えられます。縦持ちデータを前提とします。
条件付き書式(conditional-format)
セルの値や数式の条件に応じて、背景色・文字色・書式を自動で変える機能です。例えば「100 以上のセルを赤くする」「重複を強調する」などができます。「表示形式」メニューから設定します。
GAS・自動化
GAS/Apps Script(gas)
Google Apps Script の略で、Google の各サービスを JavaScript ベースの言語で自動化・拡張できる開発プラットフォームです。スプレッドシートの操作、メール送信、外部 API 連携などを記述できます。詳しくは /chapters/10-gas-intro を参照してください。
SpreadsheetApp(spreadsheetapp)
GAS でスプレッドシートを操作するための組み込みサービス(クラス)です。SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet() などでブックを取得し、シートやセルの読み書きを行います。スプレッドシート自動化の起点となるオブジェクトです。詳しくは /chapters/10-gas-intro を参照してください。
トリガー(trigger)
特定のイベントや時刻に応じて GAS の関数を自動実行する仕組みです。編集時・フォーム送信時などの「シンプルトリガー/インストール可能トリガー」と、時間ベースで定期実行する「時間主導型トリガー」があります。
onEdit(onedit)
ユーザーがセルを編集したときに自動実行される、シンプルトリガー用の特別な関数名です。function onEdit(e) { ... } と定義すると、編集イベント情報を e で受け取れます。シンプルトリガーには外部サービスへのアクセスなどの制約があります。
UrlFetchApp(urlfetchapp)
GAS から外部の URL に HTTP リクエストを送るための組み込みサービスです。UrlFetchApp.fetch(url, options) で Web API の呼び出しやデータ取得ができます。利用には外部サービスへの接続を許可する承認スコープが必要です。
カスタム関数(custom-function)
GAS で自作し、セルの数式から =自作関数名(引数) の形で呼び出せる関数です。組み込み関数にない独自の計算を関数化できます。実行時間や呼び出し回数に制約があり、一部のサービスは利用できません。
クォータ/上限(quota)
GAS の各機能に設けられた1日あたりの実行回数や時間などの利用上限です。メール送信数、UrlFetchApp の呼び出し回数、スクリプトの実行時間などにそれぞれ上限があり、超えると一時的に実行できなくなります。
承認スコープ(oauth-scope)
GAS が利用するアクセス権限の範囲を示すものです。スクリプトが外部サービスやユーザーデータにアクセスする際、初回実行時に必要なスコープへの承認をユーザーに求めます。必要最小限のスコープに留めるのが安全です。
Webhook(webhook)
あるサービスでイベントが起きたときに、指定した URL へ自動的に HTTP リクエスト(通知)を送る仕組みです。GAS では UrlFetchApp で外部の Webhook URL に送信したり、ウェブアプリとして公開したエンドポイントで受信したりできます。